だれかたすけて。
て言っても
誰か助けてはくれない。
私を助けるのはただ、私だけ。

世界を変えるのはただ私だけで
世界の捉え方を変えるのはただ私だけで

あなたを変えることはただあなただけにしかできなくて
あなたを忘れるのはただ私が瞳を閉じるしかなくて

私の他の誰にも、誰にも私を救えない

音が、聞こえた?
からからから、ことん。ぱらぱら。
現実味のある希望が、あると思っていたのはたった私だけでしょ。
からからから、ことん。ぱらぱら。
だから、現実の現実では壊れてしまう。

知らないままがよかった。
踏み出さなければよかった。
夢なんて、見なければよかった。

からからから、ことん。
ばらばら。
がらがらがら、ぐしゃ。

仕方ないよ。
それが現実だよ。

あまりに現実に疲れたとき

優しかった過去の扉を
静かに叩いてみる。

こつこつ、こつ

やわらかくほのあまい時間。

私の歩く道
誰かの歩く道
たまに交差して
だけどいつか離れてく
ずっと、寄り添って、歩くはずだったのに
少しずつ、逸れていくんだね
ずっと、寄り添って、歩く予定だったよね
だけど
本当はすれ違うことが分かってたのかもね
無理矢理、予定にしてたんだよね
離れていくのが嫌だったから
約束だよ約束だよって、お互いの道を縛り付けて、
だけど

きっとさよならだね
無理やり寄り添わせた道なんて
きっとうまく歩けなくなる

私は私の道を
誰かは誰かの道を
交差したあと
泣きながら
振り返りながら
だけどいつか忘れて
ただ前だけ見て、歩いて行くんだろうね

過去はどうしてこんなに
私を殺したがるんだろう？
楽しい過去も
悲しい過去も
嬉しい過去も
悔しい過去も
一つ残らず
私の胸を引き裂く。

ああ、その理由は、簡単だ。

今があまりに悲惨だから。
今があまりに複雑だから。

とても、
とても簡単だ。